実証実験について

2015年12月より、以下の期間を取ってPepperの訓練により発語レベルが向上するかを調査しました。

①ベースライン期
絵カード100枚について3回呼称検査を実施し、正答率が等しくなるように20枚ずつA訓練語とB非訓練語を抽出する
②訓練期
Aについて、Pepperと30分程度の呼称訓練を行った後、別室でAの呼称検査を行う訓練期は第1期、第2期に分け、
それぞれ1ヶ月4セッション行う。各訓練期の開始時、終了時には、Bについて呼称検査を行う。
③訓練休止期
第1、第2訓練期の間に、1ヶ月間の訓練休止期を設ける

実証実験の結果

T.Yさん   40歳代 ♂  中等度運動型失語+構音障害


I.Yさん   60歳代 ♀  中等度運動型失語+発語失行


T.Sさん  70歳代 ♀ 重度混合型失語+発語失行


H.Jさん  70歳代 ♂  重度運動型失語+発語失行

 
ロボットは応答が単純である、会話がかみ合わないなど、会話を楽しむまでにはまだまだ技術の進歩が待たれます。一方で、見た目がかわいい、長時間でも黙って待っていられる、利用者が気を遣わずに済む、繰り返し何度でも練習が続けられるといったプラス面があり、比較的単純な訓練であればロボットが強いことがわかりました。将来的には、ロボットの出来る部分と、人にしか出来ない部分を分ける事で、より効率の良い、質の高い言語訓練を目指すことが出来るのではないかと期待しております。